コンサートプロモーターって何をする仕事?
「ライブやコンサートに関わる仕事をしている企業に就職したい」と思っても、どこの会社がどんな業務をしているか調べてもよくわからないと思いませんか?
ライブやコンサートに関わる仕事はコンサートプロモーターが担っています。
「音楽業界の仕事はキツイ」
「コンサートやライブの仕事はブラック企業」
「検索したら”音楽業界 やめとけ”って出てきた」
調べるとネガティブな情報がいっぱい出てくるから不安になりますよね?
ここでは、15年以上コンサートプロモーター企業で働いている私が、コンサートプロモーターの仕事がどのようなものか、具体的に解説します。
コンサートプロモーターの仕事内容を知ることで、皆さんが音楽業界でやりたい仕事とのミスマッチが少しでも減らせればな、と思います。
音楽業界の仕事は、細かく分かれています。一口に「コンサートに関わる仕事」と言っても、その業務範囲は会社によって大きく違います。
仕事内容をよくわからずに入社して、後から「こんな仕事がやりたいんじゃなかった」となったら時間の無駄です。
この記事では、コンサートプロモーターの仕事について全体的な内容を紹介します。
皆さんがコンサートプロモーターの仕事を理解して、納得の行く就職・転職活動をしてもらえればと思います。
会場選び
コンサートをやるとなった時、真っ先に決めるのは会場です。
公演を実施する場所を考えるのが一番最初にやるべきことです。
一般的に、会場は収容人数が多くなるほど、会場使用料が上がります。
収支のバランスが悪いと採算が取れません。
ちゃんと利益が上がるような会場を選ぶことが大切です。
実績のあるアーティストの場合、過去どれくらい集客してきたか、何人以上の動員を目指すとチャレンジになるか、過去の経験からどれくらいのお客さんを呼べるかわかります。
その実績から予測してアーティストに合った適正なキャパシティ(座席数・収容人数)の会場を選ぶことが大切です。
会場は、キャパシティによって次のような呼び方をします。
ドーム(約50,000人収容)
アリーナ(約10,000人〜15,000人)
ホール(約1,000〜3,000人)
ライブハウス(約100〜2,500人)
アーティスト側から「10,000キャパの会場を探しています。条件に合う会場を押さえてもらえませんか?」とご依頼を頂いて調整をし始めることになります。
会場を選ぶ際に注意すべきことや、プロが会場を選ぶとはどういうことかは、別の記事で紹介します。
仕事のスタートは、アーティストから依頼をいただく以外にも、自分たちでイベントを企画して、アーティストをお招きしてご出演いただくこともあります。
仕事の始まりは、いろんなパターンがあるので、詳しくは別の記事で解説します。
公演の概要を決定する
会場が決まったら、次は公演の概要を決めます。
「概要」とか「詳細」と言ったりしますが、つまり公演の日時・会場・料金・券種・発売日・発売所・告知解禁日・販売スケジュール・お問い合わせ先・主催や協力、後援、協賛などのクレジットを決めていきます。
日時と会場といったスケジュールは事務所やプロダクションと会場の予約状況を確認して決めます。
料金や券種は、見込み集客数と必要経費などの予算と、事務所やアーティスト・プロダクションの意向を踏まえて決定します。
発売日は、座席を完売できるようなプロモーション・宣伝からスケジュールを立てて適切な日程を確保して決めます。
発売所は、「プレイガイド」と呼ばれるチケットぴあ・ローソンチケット・イープラスが主流です。
今は、楽天チケットや、peatixと言った会社も出てきています。
これらプレイガイドに対して、コンサートプロモーターがチケットの販売を依頼します。
プロモーション|公演を告知して認知を広げる
プロモーションというのは告知のことです。
宣伝や広報、PRなどもプロモーション活動です。
要するに公演のことを知ってもらって、チケットを買ってもらうのが目的です。
認知を広げることで多くの人に来てもらうようにすることと、
より深く知ってもらうことで興味を引くことも大切です。
テレビやラジオ、新聞といったマスメディアの活用もありますし、
YouTubeやSNSを使うこともあります。
もちろん、地道にチラシの配布やポスターの掲示もやりますし、
看板やデジタルサイネージ、そして電車の吊り広告といった様々なメディアも使います。
手配・申請
コンサートを実施するためには事前準備が大切です。
当たり前ですが、コンサートを実施するためには、舞台設営や音響・照明機材の手配、そして運営に必要な備品の手配や、搬入や搬出をするアルバイトスタッフの手配も必要です。
当然、人が動くわけですから出演者の移動や宿泊の手配、そして食事の手配もあります。
事前の準備で9割決まるといっても過言ではありません。
安全のための警備計画も必要ですし、大規模なイベントならお客さんの輸送計画も必要です。
現場運営
事前に計画したことが計画通りに進めていくことが大事です。
ライブハウスなど規模の小さな公演なら一人で把握して自分が動けば良いですが、
会場の規模や担当部署が増えれば、チームで動かしていく必要があります。
お客様の輸送、チケットのもぎり、グッズ販売、客席案内、ステージ進行の確認など、
当たり前のことが当たり前に出来るように、安全安心であることはもちろん、ご来場下さる
お客様が楽しくなるような装飾や仕掛け、本番に向けて気持ちが上がるようなことも
考えて実施します。
当然、お客様が満足されてお帰りになるまでが現場運営です。
精算
公演が全て終了したら公演の精算を行ないます。
入場券の売上、グッズの売上等を計算し、かかった経費を支払っていくら利益になるかを算出します。
ここまでの一連の流れを把握した上で、たくさんの公演を経験していくと、
どんな会場でどんな内容でどれくらい動員すれば、どれくらい利益が出せるのかが
最初から分かってきます。
コンサートを成功に導く仕事
大まかな流れだけを書いていきましたが、次からは詳しく仕事内容についても紹介していきたいと思います。
興味のある方はチェックしてもらえると嬉しいです。